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草原一望: 12月 2012

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』24-10（通巻118）号より. 12288;煙草の箱から取られたのか、自分が吸っていたのを取られたのかわからないが、暑いさなかに春を感じる出来事となった。春はいつだって、不意にやって来る。 12288;朝方に別れる際のひとこまか、それとも、朝方に出会った際のひとこまか。どちらの景にしても、なんともほほえましい様子である。かと思いきや、この句の後には、「サヨナラだけは耳に残り」、「何もせず振られる」、「こんな日に雨は必ず降るんだ」の三句が続いて書かれていた。 12288;女がどういうしぐさをしていたのかは描かれていないが、作者の意識は女の首へと向かった。その意図していなかった細さに、エロスを感じ取ったようだ。拙句に「意外と太い女の線だ」があるが、これは真逆のパターンである。 12288;思えば屁にも、なんらかの価値があるはずである。今度医者にかかったおり、思い切ってきいてみたい。

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草原一望: 9月 2013

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』25-08（通巻128）号より. 12288;ちょうどお地蔵様の肩のところに、夕陽が落ちて行っていたのでしょう。お地蔵様の肩の丸さが、なんとも柔らかいです。 12288;「鳴く」は、ひとつでよいかとも思いました。あるいは、蛙の合唱となっていたのでしょうか。安産となりますよう。 12288;類句は多くあるでしょうが、観音様と同じような格好となった自身を詠んだ面白い句です。観音様が許してくださることを信じたいものです。 12288;勝手口から台所へ戻ると、ちょうど蚊も一緒に入ってきた。招かれざる客とは、まさしくこういう蚊のことをいうのでしょう。 12288;もはやお父様は、鬼籍に入られたものと想像します。しかしその面影は、しっかりと詠み手自身に引き継がれていたのでしょう。遺伝子のなせるわざですね。類句を最近にどこかで見た気がしますが、どうにも思い出せません。。

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草原一望: 7月 2013

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』25-06（通巻126）号より. 12288;暖かさがこちらまで伝わってくる句です。冬の陽では、なかなかこうはいかないように思います。 12288;色合い的にどぎついかと思いきや、夜の闇にはちょうどよい感じがします。 12288;普段街中にいて、パソコンと向かい合ってばかりいると、こういう景とは出会えません。どうかすると、もはやこのような牧歌的な風景は過去のものとなってしまった錯覚すら覚えます。しかし、同時間のどこかでは、未だ存在している。ＳＦチックな景にすら思えてきます。 12288;更地となる前には、いったい何が建っていたのでしょう。そしてそこの住民はどこへ行ってしまったのでしょう。疑問はいろいろと生じますが、ケシの花には、そんなこと関係ないようです。 画像ウィンドウ テンプレート. テンプレート画像提供: Sookhee Lee さん. Powered by Blogger.

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草原一望: 9月 2012

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』24-08（通巻116）号より. 12288;腹がたまらなく鳴る句となりました。塩鮭もさることながら、作者は静岡の方ですので、新茶もまた格別においしそうです。 12288;作者の住居の近くに宿舎があるのか、あるいは通勤路にあるのか不明ですが、朝の五時や六時といった時間に鳴っているのでしょう。それも毎朝、止まることなく鳴りつづける。目覚ましの主は、はたして起きて勉強することができているのでしょうか。 12288;短い何気ない句ですが、この景を詠んだ句は記憶はありません。よく気付かれたなと思いました。 12288;既に一杯目は飲んでいる、というところが面白いです。ほとんど下戸の私には、ビール一杯で十分でして、二杯、三杯と飲める方がうらやましくてなりません。 12288;相手が傷つきやすい女でしたら、爪をしっかりと磨いで会うことが必要なのでしょう。このさりげない気づかいを、女は気付いてくれるかどうか。　. 雨のさくらの妻の墓にきた　 　句塔. 12288;春雨の中、妻の墓参り...

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草原一望: 6月 2013

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』25-05（通巻125）号より. 12288;説明を必要としない、美しい写生句です。ただそれだけ、無条件に受け入れるほかない句、そういう句に惹かれます。一点に凝縮された景より、読み手のそれぞれのうちに詩情が拡がって行くのです。 12288;ご実家の墓場での景でしょう。諸事情があって、その管理は詠み手の従姉に委ねられることとなりました。しかし久しぶりに帰郷してみると、ご先祖の墓周りは雑草だらけ。思うところ大なりといった感じでしょうか。 12288;春眠という言葉が頭をよぎる句です。この場合の「ひとり老いて」は、ひとり暮らしという意味ではなく、共に老いる相手がないという意味でとりたいです。人の生の美しさを、私はこの句にみます。 しがらみ飲み込んだ熱い喉仏（義兄の死）　　智庸. 画像ウィンドウ テンプレート. テンプレート画像提供: Sookhee Lee さん. Powered by Blogger.

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草原一望: 『草原』25-06（通巻126）号より

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』25-06（通巻126）号より. 12288;暖かさがこちらまで伝わってくる句です。冬の陽では、なかなかこうはいかないように思います。 12288;色合い的にどぎついかと思いきや、夜の闇にはちょうどよい感じがします。 12288;普段街中にいて、パソコンと向かい合ってばかりいると、こういう景とは出会えません。どうかすると、もはやこのような牧歌的な風景は過去のものとなってしまった錯覚すら覚えます。しかし、同時間のどこかでは、未だ存在している。ＳＦチックな景にすら思えてきます。 12288;更地となる前には、いったい何が建っていたのでしょう。そしてそこの住民はどこへ行ってしまったのでしょう。疑問はいろいろと生じますが、ケシの花には、そんなこと関係ないようです。 画像ウィンドウ テンプレート. テンプレート画像提供: Sookhee Lee さん. Powered by Blogger.

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草原一望: 8月 2013

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』25-07（通巻127）号より. 12288;月見草はメキシコ原産だとか。よくぞ日本までやってきて、美しい景色に寄与してくれたものです。夜明けの冷たい美しさがよく出ています。 12288;静かな空間で、呑みかけたお茶の成分？が沈殿して行く様を見ているところを想像しました。好きな景です。 12288;こうしたのんびりとした行動に憧れるのですが、臆病なせいでしょうか、屋外で寝るのが苦手です。 12288;祖母宅で、よく深夜に目覚めていました。自分の意識がなくても周囲の時が流れて行くことに、不思議な感覚を覚えたものです。類句はありそうです。 12288;この句は、吉田幸一氏の「車椅子押す子も白髪」の後の話となりましょう。あるいは、通夜に来てくれる人の中に、若者がいないということかもしれません。魔女が集まって儀式を行っているように見えます。 画像ウィンドウ テンプレート. テンプレート画像提供: Sookhee Lee さん. Powered by Blogger.

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草原一望: 『草原』25-04（通巻124）号より

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』25-04（通巻124）号より. 12288;一緒にお店へ来たはずの孫が、気がついたら見当たりません。アナウンスがあったのかどうかわかりませんが、ようやく見つけた孫は店のスタッフに抱かれていました。なにはともあれめでたしめでたし。 12288;類句がありそうですが、冬の食卓の温かい雰囲気がよく出ていると思います。お腹が空いてきました。 12288;どのような状況下で、どのように媚びたのかわかりませんが、男らしいストレートな句だと思いました。 12288;色気のある句です。風狂子（錆助）氏に「舌絡み合って熱帯夜」の句がありますが、現実にしても夢の中の話にしても、舌が醸し出す魅力は変わらないようです。 画像ウィンドウ テンプレート. テンプレート画像提供: Sookhee Lee さん. Powered by Blogger.

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草原一望: 『草原』25-02（通巻122）号より

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』25-02（通巻122）号より. 12288;一月の中旬に私が住むまちでもようやく雪が積もったので、雪だるまを作って遊んでみました。ひとりで。あまりに寒かったので、手のひら大の雪だるまを作って終わりました。この「小さな雪だるま」と変わらない大きさだったかと思います。次回はもっと頑張りたいです。 12288;スーパーを歩いていると、びびっと何かが来たのでしょう。祖母の第六感というやつでしょうか（あるのでしょうか）。果たしてこの予感は当たったのかどうか。しかし子供は肉が好きですね。 12288;特集「粟野賢太郎と中筋祖啓」中の書下ろし十句より。この感覚は、私も覚えた記憶があります。朝湯の湯気のせいでしょうか、どうも世界が終わる気がしたものです。 画像ウィンドウ テンプレート. テンプレート画像提供: Sookhee Lee さん. Powered by Blogger.

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草原一望: 1月 2013

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随句（自由律俳句）誌『草原』掲載句の句評です。草原会員以外の方の句も含まれます。毎月末に更新予定です。 12302;草原』24-12（通巻120）号より. 12288;猫は自身の飼い主に、つかまえた獲物を見せるとききます。ただそれだけのために捕えられたバッタに、早く安楽が訪れることを願ってやみません。 12288;昔、体が元気な頃、毎夏海で遊んでいました。お盆も過ぎると、少し沖へ出ただけのところに、くらげの大群が発生します。日射しに照らされた彼らはとても神々しく見えましたが、今も変わらず元気にしているのでしょうか。 12288;この句を読んで以降、羊雲を見るたびに、ぽこぽこぽこぽこ脳内で音が鳴って仕方ありません。 12288;「春の夢」の効き方が美しい、個人的に好みの句です。なお私が同様に詠もうとした場合、「愛し方ば変えただけたい」となります。共通語話者のことがほんの少し羨ましくなりました。 12302;草原』24-11（通巻119）号より. 12288;「春の海へ裾をあげる」を思い出します。どちらも、静かな日常のひとこまです。